むずむず足症候群(レストレスレッグス症候群)
「足がむずむずして、じっとしていられない」「夜になると足に不快な感覚が起こり、眠れない」「足を動かすと楽になるが、止めるとまた不快になる」といった症状に心当たりのある方は、むずむず足症候群(レストレスレッグス症候群:Restless Legs Syndrome, RLS)」かもしれません。
この病気は、睡眠の質を著しく低下させ、日中の活動にも影響を及ぼしますが、適切な診断と治療で症状を大幅に改善できます。当院では、日本神経学会神経内科専門医・指導医である院長が、この疾患の診断と治療に専門的に対応いたします。
むずむず足症候群(レストレスレッグス症候群)とは
むずむず足症候群は、主に夕方から夜間にかけて、安静にしている時や寝入りばなに、足(ふくらはぎや太ももなど)に強い不快感や異常な感覚が生じ、その不快感を解消するために足を動かさずにはいられなくなるという特徴を持つ神経疾患です。
この病気の原因は完全には解明されていませんが、脳内のドパミンという神経伝達物質の機能異常や、鉄分の不足などが関わっていると考えられています。
むずむず足症候群の主な症状
むずむず足症候群の診断は、以下の4つの症状をすべて満たすかどうかで行われます。
- 足を動かしたい衝動がある:足の不快感に伴い、足を動かしたいという強い衝動がある。
- 不快な感覚がある:足に「むずむず」「虫が這うような」「かゆい」「チクチク」「火照る」といった、表現しがたい不快な感覚がある。
- 安静時に症状が出現・悪化する:安静にしている時(特に座っている時や寝ている時)に症状が現れたり、悪化したりする。
- 運動で症状が軽快する:足を動かす、歩く、ストレッチするなどで、症状が一時的、あるいは完全に軽くなる。
これらの症状は、特に夕方や夜間に強くなるという日内変動(リズム)を持つことが多いです。
むずむず足症候群と併発しやすい病態
むずむず足症候群の患者様は、睡眠中に足がピクピクと周期的に動く「周期性四肢運動障害」を伴うことが多く、これが睡眠の質の低下に大きく関わっています。
また、鉄欠乏性貧血、腎不全、糖尿病、妊娠などが原因となって発症することもあります。そのため、当院では、単に症状を和らげるだけでなく、背景にある原因を特定するための検査も重要視しています。
当院でのむずむず足症候群の診断と治療
むずむず足症候群は、症状が特徴的であるため、患者様やご家族からの詳細な問診が最も重要となります。
正確な診断と原因の検索
- 詳細な問診:症状の具体的な内容、発症時間、運動による軽快の有無などを詳しく伺います。
- 血液検査:鉄分やフェリチン(貯蔵鉄)の値、腎臓や甲状腺の機能など、背景にある原因疾患を調べるために血液検査を行います。
- 他の神経疾患の除外:手足のしびれや痛みと紛らわしい症状もあるため、脳神経内科専門医として他の神経疾患(末梢神経障害など)との鑑別を行います。
薬物治療と生活指導
非薬物療法(生活習慣の見直し)
軽症の場合や薬物治療の補助として、以下の生活習慣指導を行います。
- 鉄分の補給:血液検査で鉄欠乏が確認された場合、鉄剤の内服を検討します。
- 嗜好品の制限:アルコール、カフェイン、喫煙は症状を悪化させる可能性があるため、摂取を控えるよう指導します。
- 規則正しい睡眠:規則正しい睡眠リズムを整えることが大切です。
- 入浴・マッサージ:温かいお湯に浸かる、足のマッサージを行うなども有効な場合があります。
- 適度な運動:夕方以降の激しい運動は避けるべきですが、日中の適度な運動は有効です。
薬物療法
症状が強く、日常生活や睡眠に支障をきたしている場合は、薬物治療を行います。
- ドパミン作動薬:脳内のドパミン不足を補う薬で、症状の改善に高い効果が期待できます。
- その他の薬剤:症状に応じて、抗てんかん薬や鉄剤などが用いられます。
薬物治療においては、総合内科専門医の視点も活かし、すでに服用されている高血圧や糖尿病などの薬との飲み合わせや、多剤併用(ポリファーマシー)を防ぐための調整も慎重に行います。
まずはご相談ください
むずむず足症候群は、「年のせい」「疲れのせい」と我慢されがちですが、放置すると不眠が続き、うつ病や不安障害を併発することもあります。
「夜になると足が気になって眠れない」「何を試しても改善しない」と悩まず、お気軽にご相談ください。脳神経専門医として、皆様の脳の健康と質の高い睡眠を守るためのサポートを継続して行います。
