そのめまい、脳の血流不足かも?「椎骨脳底動脈循環不全(VBI)」とめまい
「突然フラッとする」「景色が回るようなめまいがする」といった症状に悩まされていませんか?病院で検査をしても異常なしと言われたり、加齢のせいだと諦めてしまったりしている方も少なくありません。しかし、めまいは体からの重要なサインです。特に生活習慣病をお持ちの方にとって、その背後には脳への血流トラブルが隠れていることがあります。放置せず正しい原因を突き止めることが、将来の健やかな生活を守る第一歩となります。
VBI(椎骨脳底動脈循環不全)とは
耳の異常ではないにもかかわらず、繰り返すめまいの原因として椎骨脳底動脈循環不全(VBI)が挙げられます。
脳のバランス機能を司る部位への血流低下
私たちの脳の後ろ側には、脳幹や小脳といった体のバランスを司る重要な部位があります。ここへ酸素や栄養を運ぶ通路が椎骨動脈と脳底動脈です。VBIとは、これらの血管の血流が一時的に低下することで脳幹などがエネルギー不足に陥り、めまいを引き起こす状態を指します。
血流が悪くなる主な原因とメカニズム
主な原因は動脈硬化ですが、実際には複数の要因が絡み合っています。血管の壁が厚くなるアテローム性動脈硬化や、心臓などから生じる小さな血栓による塞栓症だけでなく、血圧の急激な変動や血液粘度の増加といった血行力学的要因も重要です。また、頸椎の骨棘(骨の変形)や首を回す動作によって血管が物理的に圧迫されることも原因となります。これらにより脳幹への血流が一時的に低下することでめまいが引き起こされます。
VBIの診断と検査
VBIの診断では、めまい症状の問診(持続時間、誘因、複視やしびれといった随伴症状の確認)に加えて、脳梗塞などの器質的疾患がないことを確認するプロセスが極めて重要です。診察でVBIが疑われる場合、当院ではMRIによる脳の器質的異常の確認に加え、超音波検査を用いて血管の狭窄や走行異常、血流速度の低下といった血行力学的異常を客観的に評価します。血管の血流動態まで正確に把握することで、脳梗塞への進行リスクを早期に発見し予防につなげます。
超音波(エコー)検査のメリット
| 血流をリアルタイムに評価 | CTやMRIは血管の形態を描出するのに適していますが、超音波検査は血流の速度や流れる量を直接測定することが可能です。これにより、一過性の血流低下も見逃さず捉えられます。 |
|---|---|
| 動脈硬化の早期発見 | 血管壁の内中膜複合体厚(IMT)をミリ単位で測定できるため、VBIの背景にある動脈硬化の進展度合いを同時に評価できます。 |
VBIのリスク因子
以下のような条件に当てはまる方は、VBIを発症しやすい傾向にあります。
- 60歳以上の方
- 生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)がある方
- 首を回したり、急に立ち上がったりした時にめまいが起こる方
- めまいに加えて、物が二重に見える、言葉が出にくい、顔や手足がしびれるといった症状を伴う方
特にメタボリックシンドロームを合併している男性は、VBIのリスクがより高まることが報告されています。気になる症状がある場合は、早期の受診をご検討ください。
