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起立性調節障害と片頭痛

[2026.03.05]

当診療所は開院して1ヶ月が経過いたしました。来院される患者様の中には、思春期前後のお子様が一定数いらっしゃいます。特に起立性調節障害(OD)や片頭痛に関するご相談をいただく機会もあります。

片頭痛や起立性調節障害は、ともに自律神経の機能障害が深く関わっていると考えられます。それぞれの仕組みや、当院での考え方についてです。

自律神経の不調が引き起こす起立性調節障害の仕組み

起立性調節障害は、思春期の子供によく見られる自律神経の機能失調です。通常、人が立ち上がると重力によって血液が下半身に溜まり、一時的に心臓へ戻る血液量が減少して血圧が下がります。このとき、健康な体では交感神経が素早く働き、下半身の血管を収縮させることで血圧を維持します。

しかし、起立性調節障害の方はこの血圧を維持する仕組みがうまく機能しません。その結果、脳への血流が一時的に不足し、立ちくらみや動悸、ときには失神などの症状を引き起こしてしまいます。

起立性調節障害の代表的な症状

お子様が以下のような不調を訴える場合、起立性調節障害の可能性があります。症状は午前中に強く、午後から夜にかけて改善する傾向があります。

立ちくらみ・めまい 起立した瞬間にふらつきや立ちくらみを起こしやすい
起床時の不調 朝なかなか起きられず、午前中の体調が著しく悪い
臍疝痛(せいさいせんつう) へその周囲にときどき痛みを感じる
慢性的、または突発的な頭痛 日常的に頭の重さや痛みを感じる

これらの症状は精神的なストレスによって悪化し、症状が複雑に変化することもあります。そのため、周囲から「怠けている」「不登校の口実」といった誤解を受けることも少なくありませんが、根底には自律神経の機能低下という身体的な要因が存在します。

起立性調節障害に伴う頭痛と片頭痛の関係

起立性調節障害で見られる頭痛の一つに、低血圧に関連するものがあります。これは立位をとった際に生じる、締め付けられるような、あるいはズキズキする中等度の痛みです。横になると改善するのが大きな特徴で、血圧低下に伴う後頸部筋の虚血(血流不足)が原因とされています。これは失神の前駆症状としても重要です。

また、起立性調節障害の患者様の中には、片頭痛を併発している方が非常に多く見受けられます。これは自律神経の脆弱性という共通の背景があるためと考えられます。低血圧による頭痛と片頭痛は症状が似ている部分もあり、どちらに重きを置いて治療を進めるべきか、慎重な判断が求められます。

改善に向けた治療と生活習慣の見直し

起立性調節障害の治療においては、まず日常生活の改善が不可欠です。薬物療法と並行して、以下の取り組みが推奨されます。

  1. 規則正しい生活
    体内時計を整え、自律神経のバランスを安定させます。
  2. 水分と塩分の摂取
    循環血液量を増やすため、十分な水分と塩分の摂取を意識します。
  3. 適度な運動
    下半身の筋力を鍛えることで、血液を心臓へ戻すポンプ機能を高めます。
  4. 薬物療法
    必要に応じて昇圧剤や漢方薬を使用します。特にお子様の場合、漢方薬の効果には個人差がありますが、体質に合えば大きな改善が見込めるケースも確かです。
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